板金加工の中でも、精密板金は形状が複雑な製品、高い精度が必要な製品を製作できる加工技術です。
工場で行われる精密板金最初の工程は「抜き加工」。
どの機械を使って、どのように行われるのかを、テクニカル三友の看板商品「道路表示板」を例に見てみましょう。
大型機械が自動で加工をする動画も見られるよ
ええと、前の記事で「パンチレーザー複合加工機」って紹介があったよね
機械の見た目もかっこいいんだよね!
最後に抜き加工の職人の声もご紹介します。
1枚の金属板が抜き加工によってどのように変化していくのか、楽しみですね♪
抜き加工とは?
CAD(キャド)で作成した展開図の通りに、輪郭を切ったり、穴を開けたりする加工を「抜き加工」といいます。
基本的にはCAM(キャム)で作成した加工プログラム通りに機械が加工を行いますが、その機械を動かすのは職人の仕事です。
CAD(キャド)・CAM(キャム)や加工で使われる機械については、こちらの記事にくわしく書かれているよ↓
抜き加工で使われる機械
- シャーリング加工機
- タレットパンチプレス加工機
- レーザー加工機
- パンチレーザー複合加工機
道路標示板の加工では「パンチレーザー複合加工機」を使います。
タレットパンチプレス加工機とレーザー加工機で行っていた作業を、1台で担える工作機械です。
抜き加工の様子
製品の大きさによっては、1枚の金属板から何個分かの部品になる板を抜くことができます。
しかし道路標示板の場合は、大きな1枚の金属板がそのまま製品の1部品になります。
6枚の金属板を抜いて、その後の加工を施し、部品どうしを連結させてひとつの製品ができあがるというわけです。
4×8(シハチ)と呼ばれる1250mm×2500mmのアルミ板1枚から、展開図通りにひとつの部品になる板を抜きます。
加工は以下のような順序で行われます。
- バキュームリフトでアルミ板をパンチレーザー複合加工機に載せる
- 板を所定の位置に固定する
- 加工プログラムを確認し、機械を作動させる
- パンチプレス加工が自動で行われる
- レーザー加工が自動で行われる
- 加工が終わった板が出てきたら、板のストッパーを外して、製品になる部分を取り外す
- 加工が終わった板がバラバラにならないよう、完全に切れていない状態で出てくるため、人の手で一つずつ外していく必要があります。
- バリ取りをする
- 抜き加工で金属板を切ったり穴を開けたりするときにできた、でっぱりやトゲを「バリ」と言います。
- 次の工程を担当する人がけがをしないように、「バリ」を取り除きます。
道路標示板の抜き加工の様子は、こちらの動画で見られるよ
抜き加工の作業はここまでです。
次の工程「曲げ加工」の記事はこちらからどうぞ↓
抜き加工の職人を直撃
道路標示板の抜き加工を担当したのは、協力会社のカーノさんです。
※カーノさんは筆者が勝手につけたあだ名です。
抜き加工のYouTubeにも登場しているカーノさんに、さっそくお話を聞いてみましょう♪
抜き加工で気をつけていることは何?
機械は加工が速くて正確で、とても便利なものです。
金属板を抜くこと自体は機械がしてくれるので、人間はいかに効率よく機械を止めずに加工するかを考えます。
機械をどれだけ働かせることができるかが腕の見せどころです。
特に加工しなければならない品がたくさんあるときは、どれをどのような順で加工していくか段取りを工夫します。
段取りがうまくいって効率よくさばけると、達成感があるんですよ。
毎日違う製品をつくるので、段取りも毎日変わります。
難しく感じますが、そこが逆に楽しいところでもあると思います。
私は協力会社の社員で、社長のはからいで週に何日か働かせてもらっている立場です。
社長のご厚意に応えるためにも、ただ与えられたものを加工するだけでなく、それ以上の成果を出せるように意識しています。
機械が行う加工でも職人の役割は重要だった!
精密板金において工場で最初に行う加工が抜き加工です。
基本的には機械がプログラム通りに動き、パンチプレスやレーザーで金属板に穴を開けたり切ったりしていきます。
しかし、その機械を効率よく動かすのは職人の役割です。
テクニカル三友の看板商品、道路標示板の抜き加工は次の順序で行います。
- バキュームリフトでアルミ板をパンチレーザー複合加工機に載せる
- 板を所定の位置に固定する
- 加工プログラムを確認し、機械を作動させる
- パンチプレス加工が自動で行われる
- レーザー加工が自動で行われる
- 加工が終わった板が出てきたら、板のストッパーを外して、製品になる部分を取り外す
- バリ取りをする
いくら機械が便利になっても、それを動かすのは人間です。
精密板金の現場では、毎日違う製品が作られています。
職人にとって、毎日異なる段取りを考えて、機械との共同作業を円滑に進めるのは難しいことでもあり、楽しいことでもあるのです。
精密板金加工は、高い精度を必要とする複雑な部品づくりを行うだけに、技術者の技量は品質に大きく影響します。
部品作りのお困りごとは、熟練の技術者がそろったテクニカル三友までご用命ください。